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■法人の場合、クレジットカードの「法人カード」ではなく銀行の「法人デビットカード」という選択肢も - 寄稿記事
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●法人の場合、クレジットカードの「法人カード」ではなく銀行の「法人デビットカード」という選択肢も
2020年05月21日
カード会社が法人カードに力を入れている理由とは?
最近は法人カードに力を入れているカード会社も多い。
NTTファイナンスは、2019年4月1日(月)より、新たな法人カード「NTTファイナンスBiz」を発行。法人カードには珍しく年会費無料で還元率が1%と個人カードなみのスペックだ。
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freeeセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードは、2020年2月10日(月)よりfreeeの会計ソフトと連動し、利用可能枠が自動調整される機能が追加された。
[blogcard url="https://www.poitan.jp/archives/60202"]
JCBも2020年2月17日(月)にJCB CARD Bizを発行。従来のJCB法人カードよりも柔軟な設計となり、法人口座だけでなく代表者個人カードを設定できたり、Apple Pay等にも対応する。
[blogcard url="https://www.poitan.jp/archives/60052"]
ビザ・ワールドワイド・ジャパン「中小企業の決済市場に関するリサーチ結果」によると、日本の中小企業の支出総額527兆円のうち、クレジットカード決済の割合は3.3%と非常に低い。経産省の発表したキャッシュレス・ビジョンによると、日本国内のキャッシュレス化は20%弱となっており、個人以上に法人のキャッシュレス化が進んでいない事がわかる。カード会社にとっては、法人カードは非常に魅力的な市場という事だろう。
法人カードと法人デビットカードの違いは?
法人カードとは法人向けのクレジットカードだ。ビジネスカードやコーポレートカードと呼ばれることもあり、法人の経費精算のためのクレジットカードとなる。
経費精算だけでなく、ポイントを貯めることもでき、法人カードの年会費は経費にすることも可能だ。従って、個人では保有しにくい高額な年会費のカードであっても、法人カードの場合は比較的保有しやすい。
しかし、クレジットカードには必ず審査があり、法人カードも審査が必要だ。個人カードの場合は"個人"を審査するのだが、法人の場合は"法人"を審査する。しかし、最近の法人カードは"法人"審査ではなく、"法人の代表者である個人"を審査するタイプも増えている。
"法人"を審査する場合は、決算資料がなければ審査する事ができない。そのため、設立直後の法人の場合は、法人カードを申し込むことができない。代表者の審査の場合は、"個人"の審査となるため、設立直後の法人でも法人カードを発行しやすいと言うメリットがある。
法人代表者個人と法人の貸倒れリスクは相関関係があるとのことだ。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・カードなどは、法人カードとしては審査が通りやすいと言われている。これは、個人をしっかり審査する事で法人カードを発行しているためだ。アメリカン・エキスプレス・カードなどは利用可能枠が定められておらず、この辺りを調整することでリスクを回避しているのだろう。
一方、法人デビットカードは基本的に法人口座があれば審査不要で作成できる。法人口座は書類を提出すれば基本的に口座開設可能だ。また、法人デビットの場合は、口座残高を限度額とすることもできるため、高額な支払いにも対応できるメリットがある。
クレジットカード
デビットカード
審査
必要
不要
限度額
決められた限度額の範囲内
口座残高の範囲内(上限ある場合も)
クレジットカードの方が制限は多いが、ポイント還元率や付帯サービスが多いのが魅力だ。しかし、最近では法人デビットでもポイント還元率の高い物もあり、高額な支払いを行うような企業にとってはクレジットカードよりもメリットがある場合も増えている。
GMOあおぞらネット銀行の法人デビットは1.0%還元
GMOあおぞらネット銀行には法人口座もある。個人口座の場合、Visaデビットカードの還元率は0.6〜1.5%と非常に高いのだが、ステージに応じて還元率が変更となる。
このステージ制度が他行よりも厳しく、基本的に外貨預金がなければステージが上がらない。ステージ2の「2テックま君」は外貨普通預金残高が30万円以上または3ヵ月間のVisaデビット利用額が30万円以上が対象だ。「3テックま君」は外貨普通預金残高が300万円以上、「4テックま君」は外貨普通預金残高が500万円以上となる。
このステージに応じて、振込手数料の無料回数やATM無料回数、Visaデビットのキャッシュバック率が変わる仕組みとなる。
1テックま君
2テックま君
3テックま君
4テックま君
対象
─
外貨普通預金残高が30万円以上または3ヵ月間のVisaデビット利用額が30万円以上
外貨普通預金残高が300万円以上
外貨普通預金残高が500万円以上
Visaデビットキャッシュバック率
0.6%
0.8%
1.0%
1.5%
ATM出金手数料無料回数
月2回
月5回
月7回
月15回
他行あて振込手数料無料回数
月1回
月3回
月7回
月15回
しかし、GMOあおぞらネット銀行の場合、外貨預金で何か特別なサービスがあるわけでもない。ステージを上げるためだけにGMOあおぞらネット銀行で外貨預金する必要はないのだ。振込手数料の無料回数を上げたいのであれば、住信SBIネット銀行の方が簡単にランクを上げることができる。この辺りを見ると、個人口座を増やすつもりもなさそうだ。
[blogcard url="https://www.poitan.jp/archives/36623"]
一方、GMOあおぞらネット銀行の法人口座の場合は、ステージ制がないにも関わらず、Visaデビットの還元率が1.0%となる。個人口座の外貨預金残高300万円と同じレベルの還元率1.0%だ。
最近は国税などもカード払いできるようになっており、もちろんVisaデビットカードの利用もできる。ただし、1日の利用上限は500万円以下と銀行による制限がある。
個人口座と異なり、他行宛振込手数料の無料回数はない。他行あての振込手数料は3万円未満で166円(税込)、3万円以上で261円(税込)と高い。振込手数料無料回数は少ないが、法人口座の振込手数料は基本的に有料となる。
GMOあおぞらネット銀行
ジャパンネット銀行
住信SBIネット銀行
楽天銀行
3万円未満
166円(税込)
176円(税込)
160円(税込)
168円(税込)
3万円以上
261円(税込)
275円(税込)
250円(税込)
262円(税込)
楽天銀行の法人デビットは1.0%還元だが年会費が必要
楽天銀行の法人デビットである「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」の還元率も1%還元だ。さらに、1%の楽天ポイントではなく、1%のキャッシュバックのため、使い勝手は良い。
ただし、年会費が1,000円(税抜)発生し、JCBブランドのみの発行のため、海外で利用する場合などは不安が残る。
「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」にはキャッシュカード機能も搭載されておらず、それであれば法人カードの楽天ビジネスカード+楽天プレミアムカードの組み合わせもおすすめだ。楽天ビジネスカードはVisaブランドで年会費は2,000円(税抜)。楽天プレミアムカードはVisa、Mastercard、JCB、American Expressから選ぶことができ、10,000円(税抜)の年会費となる。なお、楽天ビジネスカードは単体で発行する事はできず、必ず楽天プレミアムカードが必要となるので注意しよう。
「楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)」の最大のメリットは、デビットの利用制限を設定できるが上限がない。口座に入っている金額までJCBデビットを利用する事が可能だ。毎月の利用金額が高いような企業は楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)を検討しよう。
住信SBIネット銀行の法人デビットはプラチナのみ1.0%還元
住信SBIネット銀行のミライノ デビット(Mastercard)の還元率は0.8%、ミライノ デビット(Visa)の還元率は0.6%となり、いずれも年会費は無料。ミライノ デビットPLATINUM(Mastercard)は還元率が1.0%だが年会費が10,000円(税抜)。
1回または1日の利用上限は200万円以下、1ヵ月1,000万円の上限はあるが、これを超えて利用したい場合でも、カスタマーセンターに連絡することで変更する事ができる。
ミライノ デビットの特徴は、外貨預金口座(米ドル)から直接米ドルによる支払いも可能だ。通常、海外での利用の場合は為替レートや手数料が計算され、日本円に換算後に口座から支払われるが、外貨預金口座で決済通貨を指定しておくことで、米ドルは米ドルのまま支払う事ができる。
[blogcard url="https://www.poitan.jp/archives/36623"]
Mastercardの場合はMastercard T&E Savingsを利用できる。2名以上のコース料理を注文すると1名分が無料となるダイニング by 招待日和なども利用可能だ。年会費無料のカードで招待日和を利用できるのは滅多にない。
一方、ミライノ デビットPLATINUM(Mastercard)は年会費は高額だが国際線空港ラウンジを利用できるLoungeKey(ラウンジ・キー)や世界中で利用できるWi-Fiサービス「Boingo Wi-Fi」を利用可能だ。
海外旅行傷害保険も傷害治療費用が最高1,000万円、疾病治療費用が最高700万円、救援者費用も最高500万円だ。例えば、年会費20,000円(税抜)のセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの旅行保険は、傷害治療費用・疾病治療費用・救援者費用はそれぞれ最高300万円。アメックスのビジネス・プラチナ・カードは年会費130,000円(税抜)だが傷害治療費用・疾病治療費用・救援者費用はそれぞれ最高1,000万円。これらを考えても、ミライノ デビットPLATINUM(Mastercard)の旅行保険は充実していることがわかる。
さらに、モバイル端末の保険も開始し、法人の場合は年会費が10,000円(税抜)だったとしても、ミライノ デビットPLATINUM(Mastercard)を申し込んだ方が良いだろう。
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還元率が1.0%を超えるような法人デビットカードを3つ紹介したが、振込手数料とデビットカードの還元率、付帯特典で総合すると住信SBIネット銀行のミライノ デビットPLATINUM(Mastercard)が良いだろう。
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(記事提供者:ポイ探ニュース)
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2020/05/21 08:58:20 | 寄稿記事