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■ZホールディングスとLINEの経営統合でキャッシュレス決済はどうなる? キャッシュレス戦国時代到来 - 寄稿記事
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●ZホールディングスとLINEの経営統合でキャッシュレス決済はどうなる? キャッシュレス戦国時代到来
2019年11月19日
2012年のポイント再編と同じような事が起きる
2019年11月18日(月)にZホールディングスとLINEの経営統合に関する記者会見があった。筆者は、用事で参加する事ができなかったが、この統合を聞いて思い出したのがYahoo!ポイントを廃止してTポイントに統合すると発表した2012年6月の発表後の事だ。
当時、楽天市場に対抗するためにYahoo!ショッピングなどで貯まるポイントをTポイントに切り替え、ヤフー+CCC連合 vs 楽天という構図ができあがった。
ポイントの提携を見ていくと、この発表がどれほどインパクトがあるかわかるはずだ。Yahoo!ポイントとJAL、Pontaポイント陣営とそれぞれのライバル企業である楽天スーパーポイントとANA、Tポイント陣営があり、バランスを取っていたのが2012年6月の発表までの図となる。
JAL派のYahoo!ポイントとANA派のTポイントがくっつく事により、一気にポイント業界の再編が進む。
まず、そのまま提携した場合は、Tポイントを介してANAとJALのマイルを相互交換できるようになる。そのためにYahoo!ポイントとJALの提携が解除。続いて、nanacoポイントとTポイントも相互交換できるようになるため、これも解除となる。セブン-イレブンで貯めたnanacoポイントをライバルであるファミリーマートでTポイントとして使われる可能性があるためだ。nanacoポイントが行き場を失うため、ANAとの提携となった。
さらに再編が進み、2014年4月にドコモがANAとのマイル提携を解除し、JALとの相互交換を開始。5月にはauがauポイントからau WALLETポイントに切り替える。7月にはソフトバンクがソフトバンクポイントを廃止し、Tポイントに統合した。7月末にはリクルートとPontaポイントが提携し相互交換を開始。従来はTポイント vs Pontaポイントという構図だったが、CCCとヤフーの提携で、楽天 vs ヤフー+CCC+ソフトバンクという構図に切り替わったためだろう。ネットに弱いPontaがリクルートと繋がるのはわかりやすい提携だ。
2014年10月には楽天が楽天ポイントカード(開始当初はRポイントカード)を発行し、ネット+リアルのポイント経済圏を開始した。これで、楽天 vs CCC+ヤフー+ソフトバンク vs リクルート+ロイヤリティ マーケティングとなる。
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2015年12月にはドコモがdポイントを開始し、共通ポイントビジネスに参入。
2016年2月にはJR東日本のグループ共通ポイントであるJRE POINTが誕生。駅ビル同士のポイントカードを統合しただけだが、後にSuicaポイントとビューサンクスポイントも統合している。3月にLINE Payカードが開始しLINEポイントが貯まるようになった。4月には関西地区の共通ポイントであるSポイントが開始し、6月からはイオングループの共通ポイントWAON POINTが開始した。
ペイメント事業でも大きな再編が起きる
たった1つの提携発表でこれだけの再編が進んだヤフーとCCCの提携だが、ZホールディングスとLINEの経営統合は同じような事が起きるのではないだろうか。
まず、LINEとメルカリが立ち上げたMobile Payment Alliance(MoPA)だ。こちらは、それぞれのQRコードを、それぞれのアプリで決済できるようにするアライアンスとなり、例えば、メルペイ加盟店のQRコードをLINE Payで読み取り、支払う事ができるようになる仕組みだ。
この仕組みに、ドコモのd払い、KDDIのau PAYも参画。このアライアンスに入っていない大きなスマホ決済サービスを見ると、PayPay、楽天ペイ(アプリ決済)がある。楽天ペイ(アプリ決済)はau PAYと提携しているため、このアライアンスはPayPayに対抗するためと考えられる。
2012年のYahoo!ポイントを廃止しTポイントに切り替えという発表と同じように、PayPay包囲網として立ち上げたであろうMobile Payment Allianceの初期メンバーがPayPay側に入る事になるわけだ。うまくいくかどうかは別として、確実にペイメント業界の再編が起きていく。
PayPayやLINE Pay、Tポイントはどうなる?
CCCとヤフーの提携が最近になってうまくいかなくなっているのは、それぞれが同じようなサービスを立ち上げているためだろう。
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例えば、携帯としてはソフトバンク、ワイモバイル、トーンモバイルなどもあり、旅行サービスではYahoo!トラベルとTトラベルでどっちがおトクなのかをはっきり伝える事はできない。クレジットカードにしてもYahoo! JAPANカードやファミマTカード、Tカード プラスなどTポイントを貯めるカードがたくさんある。
一方、楽天の場合は楽天グループで一番おトクなのは楽天カードです、ドコモの場合は一番おトクなのはdカードですと言い切れる。他に選択肢がないためだ。やはり、自社で全てのサービスを行っている楽天とドコモは強いだろう。
今回、ZホールディングスにLINEが加わると、携帯にLINEモバイルが追加され、決済ではPayPayとLINE Payが競合。LINE PayとPayPayを統合したとしても、Mobile Payment Allianceはどうするのか。
さらに、TポイントとLINEポイントも気になるところだろう。Yahoo!ショッピングで貯まるポイントがLINEポイントに切り替わるかもしれない。TポイントからLINEポイントに切り替える場合は、今後発行する予定だったクレジットカードのVisa LINE Payカードは発行されない可能性もある。
もちろん、競合する全てのサービスを統合していくのであれば良いのだが、統合せずにそのまま別サービスとして継続する場合は、一度歯車が崩れるとTポイントとの連携のように一気に崩壊する可能性もある。
ZホールディングスとLINEは経営統合であり、ヤフーとCCCは業務提携と言う違いもあるため、前回と同じような事にはならないかもしれないが、やはり2012年のポイント再編成を思い出してしまう。
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(記事提供者:ポイ探ニュース)
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